運営者挨拶 ー カトリック司祭(神父)伊藤幸史 ー
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人間にとって一番苦しいことは“孤立”することだと言われます。人は一人では生きていけないからです。
しかし現代社会では様々な“分断”によって、この孤立化が急速に広がっています。
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国家・民族間の分断、競争社会における他者との分断。そして自らの内面においても、慌ただしさの中で真の自分の思いを見失い、
自己内部での分断を引き起こしています。さらに加えて地球温暖化のような自然との関係性の分断。
こうした多種多様な分断が“孤立”という苦しみを世の中に拡散しています。
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それに追い打ちを掛けたのが今回の新型コロナウィルス。この悲しい出来事は私たちに、どれほど“孤立・分断”が不自由でつらいことかを気づかせました。
その体験をもとに、私たちは今後、どうすればこうした“孤立・分断”を防げるのか模索していくことが求められていると思うのです。
しかし、それとは逆にこの出来事がさらに“世の中の孤立と分断”を深める事態に陥らないか、と危惧しています。
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この度「信州風の家」を立ち上げる事により、自然豊かな環境の中で心落ち着けて「孤立と分断」から「つながりと支え合い」へと新たな流れを生み出す模索を試みたいと思っています。
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また隣接するNPO共働学舎と協力し、様々なハンディーを抱えた人々との交わりの中で、効率や生産性を極端にまで追い求める現代社会の価値観を今一度見つめ直したいのです。そして目に見える効果効率を超えた
「本当に大切なもの」をご一緒に考えて行きたいと思っています。
「自然と社会的弱者との共生共働」。
これこそがコロナ後の世界の最大のテーマではないでしょうか。
伊藤幸史
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